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[グループB 韓国×ギリシャ]広がる格差
W杯にしては珍しく客席に空席が目立った。ポートエリザベスの人達にとっては、世界の果ての国と遠い世界の国同士の戦いは興味をそそられるものではなかったのかもしれない。おそらくポートエリザベスの人達に両国の正確な場所はどこかと聞いても、ほとんどの人は分からないと答えるだろう。
しかしその世界の果てから来た韓国代表は素晴らしかった。決定的なチャンスをモノにしていれば3-0、4-0もあり得た試合だった。
韓国代表はW杯に対する気負いは全くなかった。前半7分、イ・ジョンスがコーナー・キックから先制弾を蹴りこんだが、まるで普段所属する鹿島アントラーズでJリーグのクラブを相手に戦っているかのようにあっさりとボールを蹴りこんだ。ゴール後のパフォーマンスも特別なものは全くなく、ごく自然に喜びを表現していた。
パク・チソンを中心とするMF陣は中盤を制圧した。チャ・ドゥリは幾度となくオーバーラップし、魂のドリブル、魂のクロスを見せた。イ・チョンヨンはギリシャを蹂躙することに喜びを感じていた。
今大会のヨーロッパ勢の中でギリシャの実力は最下位を争うものだ。しかしまがりなりにも2004年に欧州選手権を制したチームである。そして当時の監督、オットー・レーハーゲルが今大会も指揮を執る。
韓国代表はそのギリシャに対し何のコンプレックスも抱いていなかった。
対するギリシャはひどかった。サッカーは想像力をもとに創造力を駆使して戦うスポーツだが、ギリシャ代表はそのどちらも持ち合わせてはいなかった。単にサッカーをなぞっているだけだった。とりあえずフォーメーションを組み、とりあえず中盤でパスをつなぎ、とりあえずプレスを掛けていた。こんなチームをどこかで見たことがあるような気がした。
そう、現日本代表である。
現日本代表もとりあえず世界のトレンドを追ってフォーメーションを組み、中盤である程度パスをつなぎ、ある程度プレスを掛けている。チャンスらしいチャンスは時折放り込まれるロングボールから生まれる偶発的なものだけである。後半、ギリシャFWのゲカスがロングボールを胸で落としてシュートしたときは、先のイングランド戦で森本がロングボールを胸で落としてシュートしたシーンが思い浮かんだ。
韓国代表と日本代表の間には、気が付けば圧倒的な差が開いてしまった。2000年のシドニー五輪、アジアカップの頃にあった優位性は、波打ち際の砂の城のように跡形もなく消え去っている。確かに本田圭祐はチャンピオンズリーグで足跡を残したが、パク・チソンのマンチェスターでのプレーに比べれば遠く及ばない。
後半7分にはそのパクが素晴らしいボール奪取からファイン・ゴールを奪った。途中ギリシャが敢然と攻め立てた時間もあったが、終われば2-0で韓国の完勝だった。
この試合を見れば、韓国と日本の差が解かる。そしてこの韓国が日本が目指すべきお手本なのである。長年の韓国との関係を考えると、面白くなく感じる方もいるかもしれない。
しかし将来本気でベスト4を目指すのなら、そんなプライド、カスに等しい。
(本田千尋=文)
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