[スポーツライター] 金子 達仁
- コメント(4)
- 2010年6月25日
【スポーツニッポン】アフリカ勢不振の陰にブブゼラの音
メンバーを大幅に入れ替えていたとはいえ、アルゼンチンの出来は決して芳しいものではなかった。特にメッシ。キャプテンマークを巻いた重圧からか、いつになくエゴイスティックなプレーと、結果としてボールを奪われるシーンが目についた。1―0のまま終わっていれば、チームとしても苦いものが残る勝利だったことだろう。
だが、終了直前に生まれたパレルモの一撃が、嫌なムードをきれいに吹き飛ばした。ボカ・ジュニアーズをこよなく愛し、ボカのファンからもこよなく愛されるパレルモは、言ってみればアルゼンチンにおけるゴン中山のような存在である。そんな選手にゴールが生まれた。これでチームが勢いに乗らないはずがない。主力を温存できたことも大きい。優勝候補と言われる国の多くが思わぬもたつきを見せているだけに、チームの一体感を多いに高めたであろうアルゼンチンには、早くも優勝の気配が漂いつつある。
それにしても、まったく意外なのはアフリカ勢の不振である。カメルーンが早々に姿を消し、この日はナイジェリアと開催国の南アフリカが大会を去った。フランスを倒した南アフリカの成長ぶりには目を見張らされたし、アルゼンチンを苦しめたナイジェリアが強いチームであったことも間違いない。
だが、彼らは勝ち抜けなかった。
現時点で理由の一つとして思いつくのは、ブブゼラの存在である。シーシェパードの一員ではないわたしは、他国の文化についてとやかく言おうとは思わない。南アフリカの人たちがブブゼラを吹きたいというのであれば、それはそれで一向にかまわないと思う。
ただ、南アフリカにとって、そしてアフリカ大陸から参加したチームにとって、ブブゼラは何の力にもなっていないのではないか。わたしは、アフリカ勢が観客の後押しを受けて躍進するのではないかと予想していたが、聞こえてくるのはブブゼラの音ばかりである。フィールドでアフリカのチームが戦っていようが、まるで関係のない大陸のチームが戦っていようが、スタジアムの空気にさしたる違いは感じられない。
つまり“ホームの感じ”がほとんどない。
ホームのつもりで戦ってみたら、スタジアムはホームではなかった――。アフリカ勢の気持ちを代弁すれば、そんなところだろうか。ちなみに、今大会におけるアフリカ勢の成績は、2勝5分け7敗(22日現在)。到底、ホームと言える結果ではない。
コメント(4)
- きゃぶ2010年6月25日 9:29 PM
代表チームが勝っていようが負けていようが、スタンドで肩を組んでひたすた歌い続ける日本のサポーターと重なりますね。
あの楽器の不協和音で頭痛や吐き気がして、音声オフで中継を見ていた知人がいました。さもありなん。
- ブブゼラ2010年6月26日 5:24 AM
なんとなく理解できます。
2002年のW杯、日本戦はホーム!の応援がありましたよね。結果的にはベスト16で終わりましたが、あの大声援は日本代表の力になったはず。しかし今回はたとえば「南アフリカを応援する」ブブゼラというより、「W杯を盛り上げる」ブブゼラな気がします。
たしかにブブゼラの音で独特な雰囲気がある今回ですが、それがたとえば南アフリカの試合と、日本の試合で変化が感じられない印象です(テレビでの印象なのであくまで印象です)。
- aa2010年6月26日 6:52 PM
日本のベスト16に寄せて
宇都宮徹壱の日々是世界杯2010(6月25日@プレトリア)
(前略)
そして私たちの日本もまた、この16チームの中に名を連ねている。ちなみにFIFA(国際サッカー連盟)ランキングで、16チーム中でどん尻なのは、日本(45位)と韓国(47位)。
しかし両チームとも、祖国から遠く離れた地で、欧州やアフリカの強豪を相手に互角以上の戦いをした上で、見事に決勝トーナメント進出を果たしたのである。
FIFAのブラッター会長は最近、アジア枠削減の可能性を示唆する発言をしたそうだが、なかなかどうして、アジアはしっかり結果を出しているではないか。
この事実について、ぜひとも会長のコメントをいただきたいものである。
いずれにせよ、グループリーグの戦いはこの日で終わり。翌日からは「負ければ終わり」の決勝トーナメントがスタートする。
グループリーグのときのように、半年もかけて相手の分析をする余裕などない。
目の前の敵を倒したら、3~4日後には新たな敵が待ち構えている、まさに嵐のような戦いが始まるのである。
ここから先は、まったくの未体験ゾーン。太陽系外にロケットを飛ばすような感覚であろう。
もちろん、極めて困難なミッションであることは言うまでもない。
むしろこうなったら、そこに「当事者」として参加していることの重みを十二分に認識した上で、この千載一遇の状況を存分に楽しもうではないか。
およそ理解に苦しむ理由を並べ立てて「日本は敗れるべきだ」などという論調は、この際、まともに取り合う必要などない。
今はただ日本国民が一丸となって、遠い南アの地で戦う代表に勇気と力を送ることを考えるべきである。
何しろ私たちの目前には、本当に久々に日本国民が一体となれる、素晴らしい未体験のゴールがあるのだから。
■ソース・記事全文はこちらで
http://southafrica2010.yahoo.co.jp/news/cdetail/201006260003-spnavi
- ベントラ2010年6月26日 10:25 PM
確かに、予定外の結果になっていますね。
但し、一番の要因はなんと言っても冬の大会だからではないでしょうか。
今までの夏の大会であれば、もっとスペースがあり、彼らの1対1の強さが生きるのでしょうが、今回は、かなりコンパクトな戦いが多いです。
予選リーグを突破できたのが、前線のタレントはいまいちながら、中盤の組織力があるガーナというのもわかります。
熱ければ、もっとエトーが・・・・・・
日本は、この寒さの恩恵を間違いなく受けていますね。
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[スポーツライター] 金子 達仁- Tatsuhito Kaneko
- 1966年1月26日、神奈川県横浜市生まれ。法政大学社会学部を卒業後、日本スポーツ企画出版社に入社。『スマッシュ』『サッカーダイジェスト』編集部勤務を経て、95年にフリーとなる。著書に「28年目のハーフタイム」「決戦前夜」「敗因と」「泣き虫」などがある。
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