[スポーツライター] 金子 達仁
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- 2010年5月14日
【スポーツニッポン】サポートメンバーにカズ招集を願う
世界の各地から南アフリカへ向けたメンバー発表のニュースが飛び込んできている。今週末が終われば、各国のリーグ戦もほぼ終了し、カップ戦を残したチームを除けば世界のサッカーシーンは一斉にW杯モードへと突入する。
興味深いのは、メンバーを発表した国の多くが、30人程度の名前を発表していることである。W杯本大会で許される登録は23人。現時点で本大会への希望と闘志をかきたてている選手の何割かは、土壇場での離脱を余儀なくされることになる。
最後まで競争意識をもたせるべきか、それともW杯へ向けての結束を固めていくべきなのか。言うまでもなく、これは優劣、善悪の問題ではない。23人を固定した岡田監督のやり方は少数派ではあるものの、ブラジルのドゥンガ監督も同じ手法をとった。監督によって考え方が違うのは、当然のことである。
ただ、ブラジルほどには戦力の整っていない日本にとって、ギリギリの段階まで選手を競わせていく手法の魅力は捨てがたい。それは、岡田監督にとっても同じだったはず。それでもあえて彼がスッパリと23人を決めたのは、12年前の経験が大きく関係しているように思える。
以前、岡田監督に「監督の仕事とは?」という質問をぶつけたところ「人を切る仕事だ」という答えが返ってきたことがある。ビジネスライクに選手を平然と切り捨てるタイプの監督がいる一方で、彼は自分によってメンバーから外された、つまりは切られた選手の痛みにも思いを馳(は)せてしまうタイプの監督なのだとその時は思った。
12年前、岡田監督はW杯フランス大会直前になってカズと北沢を切っている。それまでの日本サッカーを支えてきた功労者を、土壇場でメンバーから外している。外された選手がどんな思いを抱くか、十分に理解した上で、切っている。
今回は、同じことを繰り返したくなかったのだろう。
ならば、これからちょっとしたサプライズが待っているかもしれない。
前日付のスポニチには、「どんな形であっても日本代表をサポートしたい」というカズのコメントが載っていた。選手の痛みを考慮するがゆえに、現時点で23人にメンバーを固定した岡田監督であれば、12年前、大きな痛みを与えてしまったカズをバックアップメンバーとして招集することは十分にありえる――いや、あってほしいと思う。カズほどの功労者には、それぐらいのご褒美があってもいいはずだ。
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[スポーツライター] 金子 達仁- Tatsuhito Kaneko
- 1966年1月26日、神奈川県横浜市生まれ。法政大学社会学部を卒業後、日本スポーツ企画出版社に入社。『スマッシュ』『サッカーダイジェスト』編集部勤務を経て、95年にフリーとなる。著書に「28年目のハーフタイム」「決戦前夜」「敗因と」「泣き虫」などがある。
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