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	<title>スポーツメディア－動楽者（どうらくもん）－ &#187; 入れ替え戦</title>
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	<description>スポーツライタ-を夢見る若者に対し､学べる場および競い合う場を提供すること目的とした金子塾｡その塾生およびプロのスポーツライターのブログを公開するスポーツメディア-動楽者-</description>
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		<title>[トップキュウシュウリーグ]悠然と昇格した男</title>
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		<pubDate>Tue, 25 May 2010 02:10:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[入れ替え戦]]></category>

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		<description><![CDATA[　お客の流れも一段落して空いた待合室に、白衣をまとった中年男が入ってきた。 　男は私にコーヒーを勧めると、何から話そうか？　とタバコに火をつけながらパイプ椅子に腰掛けた。 　妹尾隆二は鍼灸院の診療医であり、]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
　お客の流れも一段落して空いた待合室に、白衣をまとった中年男が入ってきた。<br />
　男は私にコーヒーを勧めると、何から話そうか？　とタバコに火をつけながらパイプ椅子に腰掛けた。<br />
　妹尾隆二は鍼灸院の診療医であり、地元の百貨店山形屋の嘱託医であり、トップキュウシュウＢを戦った山形屋ラグビー部の監督でもある。<br />
　ラグビー・トップキュウシュウリーグは九州と中国地方を包括しているリーグである。<br />
　山形屋ラグビー部は昨シーズン、トップキュウシュウＢを五戦全勝で優勝し、トップキュウシュウＡ６位の三菱自動車水島との入れ替え戦に臨んだ。<br />
<br />
「相手の情報はまったくなかった。やってみるしかなかったですよ」<br />
　相手を論じる以前に、山形屋自身の準備が整っていたわけではない。<br />
　九月の開幕を控えた夏場は、ただでさえ百貨店にとって年末年始に劣らぬ重要なお中元シーズンのただ中であり、加えて昨年５月をもって三越鹿児島店が閉店したことによる顧客増に伴い、優秀なサラリーマン選手たちは職場にとっても欠かせなかった。<br />
<br />
「昨シーズンから見ても、全員がそろって練習ができたことは一度もないです。練習試合も一回やっただけ。地元のクラブとの合同練習はできたんですけどね。シーズンを戦っていく中でチームを作っていった感じ」<br />
<br />
　入れ替え戦を終えた妹尾は淡々と振り返った。<br />
　過ぎた事というのもあるのだろうが、性格的に、与えられた現状を受け入れ、一つ一つ目の前のことに最善を尽くす人間なのだろう。<br />
<br />
　入れ替え戦、前半から山形屋は恐れることなく迷うことなく水島に襲いかった。<br />
　先制トライは許したものの、すぐにトライを奪い返す。<br />
　パジェロ級の大型ＦＷをそろえた水島に対して肉弾戦では押されてはいたが、積極的なキックで先手先手を打ち、大胆なパスワークでグラウンドを横幅いっぱいまで活用し、大人のプレーで水島を翻弄し、時間とともに優勢を明らかにする。<br />
　山形屋のバックスからバックスへと最後尾でのパス回しがつづく。<br />
　水島のマークがすこしずつ乱れていく。<br />
　どこで山形屋がしかけるのか、と思われた矢先、水島ＦＷの一人が不意に前進してパスをかっさらう。<br />
　誰もさえぎるものはいなかった。<br />
　水島ＦＷはゴールの真下を通り過ぎ、ボールを地面に置くだけでよかった。<br />
　前半２８分、水島を勇気づける大きなトライが決まり、また７点差に広がった。<br />
<br />
　しょうがない。<br />
<br />
　妹尾に悔いる気持ちはなかった。<br />
「通っていたら一気にトライになるチャンスだったし、そこはリスクを犯すべきところだった。<br />
　ハーフタイムの時にも選手に言ったけど、縮こまってもしょうがない、縮こまっていたら逆にやられてしまう、山形屋ののびのびラグビーをやろうよ、とね」<br />
<br />
　後半も半分を過ぎ、鹿児島からはるばる会場の福岡大学グラウンドまで足を運んだ熱心なラグビーファン、山形屋の応援者たちにとっては重苦しい展開がつづいていた。<br />
　スコアは７－１７で、リードしているのは三菱水島だった。<br />
　後半開始早々に水島が決めたペナルティゴール以降、スコアは２０分以上動いていなかった。<br />
　それでも妹尾は十分にチャンスあり、と落ち着いていた。<br />
<br />
「今シーズンはリーグ戦でも競った試合が多かったから、そう後半逆転という形も多かったね。それでＢリーグで優勝することはできたんだから、まあ、入れ替え戦がおまけというつもりはないけど」<br />
　瀬尾は一息挟んだ。<br />
「慣れてしまったよね」<br />
<br />
　後半も残り２０分を切ってトライが連続した。<br />
　後半２７分、ゴール前の混戦から不意に飛び出したＦＷ川田原のトライでついに山形屋が同点に追いつく。<br />
　圧倒的な体格差を抱えながらスクラムの中心を担いつづけ、限界がきていることが傍目にもわかる、それでも替えがきかない四十歳大ベテランのトライで、重く滞っていた試合の流れが山形屋へとやってきた。<br />
　後半３４分、さらにハーフバック池原のトライが決まった。<br />
　２４－１７、トライ数でも４対２と二つ先行し、トライとコンバージョンキックで同点に追いつかれてもトライ数の差で昇格となる。<br />
　後半３７分、水島が意地のトライを決め、２点差へと追いすがる。<br />
　時間は、もう残っていなかった。<br />
<br />
<br />
「来シーズン、大変だよねえ」<br />
　妹尾の視線はすでにトップキュウシュウＡで戦う来シーズンへの準備に向いている。<br />
　会社側のサポートが万全とは言えない。<br />
　不況のあおりで新入社員そのものが少ないため、また一つ年齢を増す現有戦力で戦うしかない。<br />
　部員の誰も閑職にいるわけではなく、売り場や事務方面における責任ある役職にあるため、夜の７時８時まで仕事をしてから、九時以降に集まれる部員だけ集まって日付が変わるまで練習する、という現状も変わらない。<br />
<br />
　それでも彼らが挑むのはトップリーグのすぐ下に位置するトップキュウシュウＡである。<br />
　やってみないとわからない、最初の一勝がいつになるかで状況が変わってくると強調しながら、妹尾は来シーズンを展望した。<br />
<br />
「トップリーグから降格してくる九州電力戦、これは大差で負けてもしょうがないよ。<br />
　ケガ人が出なければいい、大事な試合で出られなくなるほうが痛い。<br />
　一足先にＡ昇格を果たした同じ地元の鹿児島銀行戦が残留争いの鍵になるでしょう」<br />
<br />
　妹尾には秘策があった。<br />
　山形屋ラグビー部には６０歳を超える老ウィングが登録されている。<br />
　こいつが試合に出してくれないんだよ、と何かあると人前で妹尾をいじる、老いてますます盛んな山形屋グループの社主、岩元恭一である。<br />
　岩元恭一は鹿児島銀行の社外取締役でもある。<br />
<br />
「鹿銀の選手たちも、まさか役員にタックルはできないでしょ。」<br />
<br />
（小林浩宣＝文）</p>
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		<title>［トップリーグ］ラッキーパンチは必然か</title>
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		<pubDate>Fri, 19 Feb 2010 15:28:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[入れ替え戦]]></category>

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		<description><![CDATA[　右からか、左からかどこから出てきたか分からなかった。ストレートかフックか、それともアッパーか。パンチの種類も確認できなかった。しかしその一発の拳、１８０センチ、１１０キロの体格であるマナコ・トンガから]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
　右からか、左からかどこから出てきたか分からなかった。ストレートかフックか、それともアッパーか。パンチの種類も確認できなかった。しかしその一発の拳、１８０センチ、１１０キロの体格であるマナコ・トンガから繰り出された拳によって、勝負が決したことに間違いはなかった。<br />
　<br />
　みぞれ交じりの冷たい雨が降り注ぐ秩父宮ラグビー場でトップリーグ入れ替え戦、トップリーグ１２位、リコーブラックラムズとトップチャレンジ３位であり、昇格へのラストチャンスに懸けるマツダブルーズーマーズの一戦が行われた。<br />
<br />
　天候もあるのだろうが入れ替え戦と呼ぶにはあまりにもスタンドは寂しい。何しろ収容人数の十分の一も埋まっているかどうかである。声援でも東京がホームのリコーはまだしも、マツダのホームは広島であるから御察しはつくであろう。<br />
<br />
　そんな風通しの良いスタンドで寒さに震えながら試合を見ている前半２５分、リコーが１トライでリードしている場面である。<br />
<br />
　二人の大男がなにか小競り合いを起こしている。<br />
　<br />
　ボールとは遠く離れた場所での出来事だったこともあり、少しの間プレーは続行されていたが主審は争いに気づくと試合を止め、小走りで副審に寄っていった。おそらく確認だろうと思われる短い会話が交わされた後、主審が小競り合いを起こした二人を自分のもとに来るよう呼び出した。すると大男のうちの一人がフィールドからベンチに向かって歩いていく。大男がタッチラインをあとにし、スタンドからは姿が見えなくなってからアナウンスが秩父宮に響いた。<br />
<br />
「マツダ、マナコ・トンガ選手、パンチングによりシンビンです」<br />
<br />
　パンチングとは文字通り相手を殴る行為であり、シンビンは一時退場のペナルティである。つまりはトンガが相手選手を殴ってしまったため、一時退場を命じられたということになる。スクラムの最後尾に位置するナンバーエイトであるトンガを、一時的にとはいえ欠くことになったマツダは直後のプレーでスクラムからのトライを決められ、両チームの点差は２トライに広がった。それまでも押し込まれていたこともあるが、前半の内にさらにもう１トライ追加されてしまうのを目の当たりにすると、トンガのパンチがマツダにとって決定的なダメージを与えたようである。<br />
<br />
　兆候はあった。<br />
　<br />
　試合開始から何度か小競り合いは起こっていたことから、その延長線上がトンガのプレーに繋がったのだろう。しかしトンガの一時退場が試合の大勢を決めたかもしれないが、退場の有無に関わらずリコーの勝利は動かなかったように思える。試合はほぼマツダ陣内で動いていた。要はリコーが攻め、マツダが守る時間帯が多く、その結果として５９−１２という大差が最終的についたのだから両チームの間には確かな実力差があったことに間違いはないだろう。ただ所謂個人の身体能力であったり、戦術という目に見えやすい力の他に、観客からは見えにくい力の差があったようにも感じる。<br />
<br />
　言うならばマリーシア、ずる賢さであろうか。<br />
<br />
　というのも後半開始直後にも小競り合いから選手がまたも一時退場を命じられている。<br />
　雲井雅明、またもマツダの選手である。<br />
<br />
　小競り合いからの反則を取られているわけだから、争いの中でもトンガや雲井だけがパンチングであったり、何かしらの行為をしたのだろう。ただ退場になったのはともにマツダの選手であり、小競り合いを起こしたもう一方であるリコーの選手には何のお咎めもなかった。もしかしたら審判から注意くらいはされていたのかも知れないが、退場はおろか反則も受けていない。この小競り合いから起こる二人の退場を見ていたら、ふとある選手を思い出した。<br />
<br />
　サッカー、アルゼンチン元代表のディエゴ・シメオネである。<br />
　<br />
　９８年Ｗ杯でイングランド代表であるベッカムを退場に追い込んだ選手と言えば、あぁと思い出す方も多いだろう。シメオネはベッカムがピッチに倒れこむくらい激しいタックルを後方からお見舞いし、なおかつ追い討ちをかけるように挑発まで浴びせる。それに対してベッカムは倒されたままタックルのお返しと言うには些細なくらいにカカトをシメオネの脚に、コツンと当てた。すると審判の目の前でシメオネは、脚を撃たれたのかと思うほどに大袈裟に倒れる。次の瞬間、ベッカムにはレッドカードが突きつけられていた。<br />
<br />
　このベッカムを退場に追い込んだプレーに象徴されるように、シメオネは相当に汚いというかずる賢いプレーヤーと知られている。なにしろ自分から仕掛けておいて、最後は平然と相手を退場に追い込んだのである。しかし、決して誉められたプレーでは無いかもしれないが、結局勝ったのはアルゼンチンである。勝つために、あくまで冷静に挑発したのがシメオネであり、それにまんまと乗ってしまったのがベッカムであった。<br />
<br />
　リコーの選手にシメオネがいたとは言わない。実際、ボールとは関係ないところでの小競り合いであり、何が起こったかは正確にはわからない。トンガがパンチングしたとは言うものの、相手が倒れたわけではないのでどの程度だったかもわからない。しかしこれは推測になってしまうが小競り合いから二度一時退場を命じられ、二度ともマツダの選手だったことから、マツダよりリコーの選手達の方がシメオネ的だったのではないか。勝つためにより冷静だった、よりずる賢かったのではないか。<br />
<br />
　加えて経験の差なのかもしれない。<br />
<br />
　リコーは入れ替え戦を戦うのは初めてではなく、一度トップリーグからトップイースト１１への降格も経験している。対してマツダは創部以来、一度もトップカテゴリーに上り詰めたことはない。経験があったからこそ、より冷静にいられた可能性は十分にある。<br />
<br />
　果たしてリコーはトップリーグ残留を決め、マツダの昇格は来年以降に持ち越しになったが、プレーしている選手はもちろんのこと観客にも苦行を強いる天候の中、はるばる本拠地広島から来た数人のマツダファンが声を上げて応援しているのを目にすると一つの願望も出てくる。<br />
<br />
　ベッカムは自らの退場とともに幕を下ろした大舞台から四年後、０２年Ｗ杯においてシメオネの挑発をもろともせず、アルゼンチンを沈めるペナルティーキックを決めた。<br />
<br />
　来年か再来年か、何年後になるかは分からない。それでもいつかマツダブルーズーマーズがトップリーグへ殴り込んで欲しい。<br />
<br />
（小谷絋友＝文）</p>
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