[塾生]丹野洋一郎

  • 2010年5月18日

[こどもの日全国少年野球教室]門外有出・キャッチャーの秘密

交代! 次は、君。
来るぞ、構えて!
胸はピッチャーに向けろ。
キャッチャーミットを構える位置は、低くやぞ! 低く!
低ければ、どう構えてもいいんだから。高いのはダメ。
監督さんも、見ていて下さい。やってみますから。
ミットは、ここです。この高さです。
ここなら、お尻をペタンと地面につこうが、しゃがもうが、ちょっとお尻を挙げて中腰だって構いません。
その時の右足の位置は、前でも、真横でも、後ろでもいい。
三種類の中から選べ、いいな。
ただ、ほとんどのキャッチャーは右足を後ろ。七割はこの形。
でも、前でもいいんだぞ、前でも。
投げやすい形で構えろ。
じゃあ、ピッチャー投げて。ちゃんとセットポジション、つくれよ。
キャッチャー、構えて!

おいっ、体で迎えに行くな。
いいか、変化球の時、前に行っちゃうと、こうやって体が伸び切っちゃうよな。
腰も膝も腕も。そうすると投げる時、力がはいりません。
そうだろ。
遅い球、変化球の時は、しっかり待つ。
それとキャッチングは、ミットだけ。両手で捕りに行くな。右手は後ろに置いておけ。
じゃあ、ストライクが来ないとき。どうするか。
アウトハイやインハイに来たときは、こうする。見てろ。
構えたまま、ミットだけ、アウトハイ。インハイ。
そして、捕ったら引く。胸の前まで引く。
よし、やってみろ。
そう、捕ったら引く。胸の前まで引く。
そうだっ!
あと、捕りにくいのは、左バッターの膝元に来たときな。
その時は、自分の右足を引け。
さっき教えたよな。右足の位置は三種類。
足を引いて、そこにミットを出せ。
そう。捕りやすいだろ。
捕ったら、合体。
右手とミットとを合体させる。
合体したら、素早く離せ! 胸を開いて両肘を張れ。
その態勢から、スローイング!
そう。
合体、離す! 合体、離す!
1、 2! 1、2!
1で合体。2で離す。
やってみろ! 遅い! もっと速く。
1、2! 1、2やぞ! いいな!
ピッチャー、行くぞ。
キャッチャー、構えて!

ああ、握れてない。しっかり握らんと、いい球、放れないぞ。
手が小さい子は、五本指で握る。
合体の時、五本で握れ。
で、投げる時に三本しろ。
いいか、まず捕る。捕ったら合体や。五本でしっかり握れ。
握ったら、離す。さっき教えたよな。
1、 2! 1、2!
2の時に、三本に握り変えろ。いいな。
じゃあ、ピッチャー行くぞ。
キャッチャー、構えて!

いいのか、それで。
届いてないぞ、二塁に。
終わりでいのか?
違うだろ?
もう一丁お願いします、だろ!
なに? 声が小さい! 聞こえない! 大きな声で!
そうだ! 何回やってもいいんだから。
できるまでやってみろ。
もう一回、構えて!

ああ、惜しいな!でもいいぞ。
さっきより、速くなってる。
タイムは、2.26秒。
チャンピオンは1.7~8だからな。ちょっと遅いな。
でも、最初よりはずっといいぞ!
ん? もう一回いくか? いいぞ、いいぞ。遠慮するな。
ピッチャー、もう一球。
キャッチャー、構えて。
ああっ、ボールが悪い。ストライク、ストライク!

来るぞ、構えて。
1、2やぞ! 1、2!

背番号33、横浜ベイスターズのユニフォームを纏った市川和正さんの教えである。

(丹野洋一郎=文)

[塾生]丹野洋一郎, スポーツライター登龍門 present by 「朝日日刊インサイト」

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