スポーツライター登龍門 present by 「朝日日刊インサイト」
- コメント(1)
- 2010年4月12日
[全国ミニバスケットボール大会]ミニマムボーイズの冒険
小学生とはいえ身長が高ければ有利に違いない。長野には182㎝、長崎には177㎝、大分にも177㎝の選手がいた。そこまでの大物は稀だが、どのチームにも160㎝台の選手は必ずいる。
しかし、福島県男子代表の会津美里ミニバスケットボールスポーツ少年団には160㎝を超える選手がいない。一番高くて157㎝。平均身長は147㎝だ。それでも”ミニマムボーイズ”は全国大会へとやってきた。
「うちは小さい子の集まりなので普通に戦っても勝てないんです」
チームを率いる佐藤仁コーチは言う。
「正確な技術、スピード、ディフェンス力が重要です。そのためにミドルシュートをものすごく練習しましたし、何より走り込みを大切にしました」
佐藤コーチに鍛えられた選手たちは1試合目から躍動した。遠目からのシュートがどんどん決まり、ボールを奪ってからのカウンターも冴えた。71-38で大勝。続く2試合目も55-29で勝利し、2連勝で準決勝へと進んだ。
対戦相手は同じ”ミサト”の名を持つ高知の三里MBC。パワーが持ち味のチームだ。
「向こうは小さいけど激しく守備するチーム。個人でボールを持ちすぎるな。リバウンド勝負ならうちが有利だから狙っていけ」
三里の竹島コーチはミーディングで選手たちにそう指示した。
試合は序盤から会津美里のミドルシュートがことごとくリングに嫌われた。160㎝台の選手を4人揃える三里にルーズボールを拾われ、苦しい展開となる。前半は19-25とリードを許した。
「急ぎすぎてシュートミスが目立つぞ。慌てるな。守備は全員でもっと厳しく!」
佐藤コーチはつまり基本に立ち返ることを求めた。
後半に入ると、三里のプレッシャーがさらにきつくなった。会津美里のミドルは不安定なままだ。インサイドシュートは上から潰される。点差はいつの間にか12点にまで開いていた。だが、三里のスタミナも落ち始めていた。
相手のプレスが甘くなり余裕が生まれると、5番遠藤君のミドルが決まりだした。4番小林君のロングシュートはきれいな弧を描いてゴールへ吸い込まれる。
走り込みを大切にしてきた”ミニマムボーイズ”のバスケはここからが真骨頂だった。
三里のパスを6番長峰君が鋭い出足でカットし、シュートまで持ち込む。遠藤君のミドルはますます命中率が上がっていく。
だが三里はここから意地を見せ、突き放す。会津美里はまた追いかける。一時は1ゴール差まで詰め寄ったが、結局3点差の44-47で敗れた。
「君たちはすごいことをしたんだぞ。全国の小学生の中で一番最後の日までバスケットができたんだ。胸を張って帰ろうじゃないか」
最後の反省会で、佐藤コーチはすすり泣く子供たちに向かって精一杯の言葉をかけた。
背が低くとも通用するということを証明した会津美里。彼らの戦いぶりは大会に爽やかな風を運んでくれた。
●滝沢康英
1972年9月21日生まれ。ファッション誌のライターをするかたわら、スポーツ分野の書き手として勉強中。
スポーツライター登龍門 present by 「朝日日刊インサイト」
タグ: スポーツライター登龍門 present by 「朝日日刊インサイト」, 日本一決定戦 —
コメント(1)
- キングゴリラ2011年12月30日 11:19 PM
僕は五年生のときにやりました
結果は30対60と完敗でした
とてもつよかったです
いまは河東中学校1年生になってがんばってます‼
コメントを投稿
書籍紹介
目標は「言葉」にすれば、必ず実現する。ブレずに強い心で戦い続けるための習慣。成功を引き寄せる、「有言実行」のメンタル術。
彼はその端正な外見だけではない。男らしい一面をもっている。誰よりも優しい心を持っている。そして、だれよりもサッカーに対して真摯だ。
『渡り鳥シリーズ』、『仁義なき戦い』など映画に出演し、『昔の名前で出ています』、『熱き心に』といった数々のヒット曲を生んできた小林旭。金子達仁が鮮やかに描き出す一冊。
ボールを追うのは3流、フォーメーションを論じるのは2流。 では、「本当のプロ」はどこを見ているのか?今日からできる「プロの観戦術」を初公開!
“美学”と“効率”が両立されている バルセロナのサッカーの本質に迫る一冊
『心は鍛えるものではなく、整えるものだ。いかなる時も安定した心を備えることが、 常に力と結果を出せる秘訣だ。自分自身に打ち勝てない人間が、ピッチで勝てるわけがない。』











