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[ラウンド16 パラグアイ×日本]マッチメイク

 勝って兜の緒を締めろ。使い回された古い言い回しだが、まさに今日本サッカーにピッタリの表現だと思う。W杯ももうすぐ終わり、日本代表も新監督を迎え、日本サッカーも新たな局面へと突入する。ここではこれまでの4年間を振り返って、「マッチメイク」に焦点を絞って話を進めていきたい。
 今現在サッカーというスポーツはヨーロッパを中心に周っている、と言って異論のある人はいないと思う。スペイン、イングランド、ドイツ、イタリアの国内リーグ、そしてチャンピオンズリーグを戦うクラブを中心に周っている。
そしてヨーロッパから日本は圧倒的に遠い。ここで言う「遠い」とは地理的な、物理的な距離のことを意味する。サッカーというスポーツの観点からすると、そうした宿命を日本はいままでもこれからも半永久的に背負い続けなくてはならない。
その宿命によって数々の名と実のかけ離れた謎のチームが日本を訪れた。最近ではセルビアが記憶に新しい。少し遡るとスコットランド、トーゴ、もうちょっと遡るとリトマネンが10番を背負ったフィンランド、といったところだろうか。
この4年間を振り返ると数々の代表チームが日本を訪れたが、どんなチームが来て、どんな選手が来たかはっきり覚えている人はどれぐらいいるのだろうか。ある程度まともなチームだったのはガーナとウルグアイ位ではないだろうか。この話はこの4年間に限ったことではないのだが。
シーズン真っただ中に何が悲しくてはるばる極東の国に親善試合に参加しに行かなくてはならないんだ、というクラブと選手の意向により件のチームが結成されたことは間違いないだろう。そこで日本国内でいくらテストマッチをやっても強化につながらないから、今後はどんどん外へ出て行くべきなのは当然なので、ここではそれに加えて幾つかのアイデアを提示したい。
まず提示したいのは新しい大会の創出、である。アジアカップの優勝を逃し、コンフェデレーションズカップの出場権を逃したとき、貴重な実戦の機会を失った、という声があちらこちらで聞かれたが、それならそれで疑似コンフェデのような大会を企画しても良いのではないか。
キリンカップは3カ国対抗戦で行われるが、もうひとつ3カ国のグループを創る。そして上位2チームが進出するミニトーナメントを行う、のである。そしてこの疑似コンフェデは日本国内で開催する必要はない。例えばクラブワールドカップが行われるUAEと協力する形で行えばヨーロッパからの物理的な距離を解消することが出来るし、南半球にあるオーストラリアと協力する形で行えばコンディションの面でプラスの作用がある。
名実揃ったチームが参加するのか、という疑問が残るかもしれないが、今大会で失意のどん底に落とされたフランス、イタリアが乗ってくる可能性はある。貴重な実戦の機会が少ないのは日本だけではないのだ。もっとも、ヨーロッパにはEUROというビッグトーナメントが存在するのだが。ここは日本サッカー協会の腕の見せ所である。
次に提示したいのは、W杯アジア予選に参加するチームの変更、である。具体的にどういうことかというと、アジアから地理的に近いロシア、トルコ、エジプトをアジア連盟に引き込むのである。オーストラリアがアジア連盟に加入した理由の一つとして、オセアニア予選では全く代表チームの強化につながらない、というものがあったという。
日本もヨーロッパ予選、南米予選に参加出来れば良いのだが、これは極めて難しい。そこで近隣かつ実力のある上記3チームをアジア予選に引き込むのである。それが3国にとってプラスになるかは別として、これはこれで極めて困難だが、日本が他の大陸の予選に参加するよりはまだ可能性がある。もし実現したとして、最終予選の組み合わせが、ロシア、トルコ、サウジアラビア、韓国、日本、となったら、と想像してみてほしい。ここも日本サッカー協会の腕の見せ所である。
最後に、4年に一度チャンスが訪れる究極のテストマッチを提示したいと思う。その究極のテストマッチとは、他でもないW杯本大会のことである。今後日本が一番躍進する可能性があるのは、W杯を日本で単独開催したときだろう。その日本で単独開催する一つ手前のW杯を、テストマッチと位置付けるのである。
ただこのやり方には計り知れないリスクが付きまとう。おそらく日本サッカー史上で一回こっきり繰り出せる超神技となるだろう。日本サッカーに関わる全ての人の意志が必要になる。フランス大会のときも2002年のため、というお題目があったようだが、今度は本気、命がけで行うのである。
以上いささか荒唐無稽ではあるが、3つのアイデアを提示した。マッチメイクに関してはもちろん他にも色々やり方はあると思う。サッカー選手にとっての4年間は、市井の人にとっての30年位の時間である。この4年間をそうそう無駄にしてはいけない。日本代表のテストマッチについて、もっと議論して、もっと厳しい目を向けて行こう。

(本田千尋=文)

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コメント(1)

冬のトリトン2010年7月12日 8:53 AM 

いいアイディアだと思いますが、はたして今の日本サッカー協会にそれだけの政治力と、やる気がありますかね。スポンサーの意向で、国内でぬるいマッチメイクをして満足してるのが現在の協会じゃないですか。おそらく協会幹部も、現在のままでは代表の強化につながらないということは実感してると思います。が、それ以上に現状が居心地がいいということじゃないですか。外地で試合してもファンの興味は薄いし、負けでもしたらイメージダウンにつながる。国内で試合して勝っていれば(弱い相手でも)、ファンは満足すると思ってるんでしょう。こういうアイディアを実行できれば大したもんだと思いますがね。

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