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- コメント(7)
- 2010年6月19日
オランダ戦を前に
結局、今大会の目標は何なのか。
予選リーグ突破でOKなのか、今でもベスト4進出なのか。ワールドカップが始まった現在、ベスト4進出が目標であると本気で思っている人はどれほどいるのか。
もし今もベスト4が絶対の目標だとして、カメルーン戦のような戦い方で成し得た場合、日本は弱いから仕方ないとして心から納得できるのか。4回目のワールドカップに求められるものは、結果が最優先で、結果がついてくれば内容はどうでもよいものなのか。
そして今の大方の風潮に、結果が出れば万事OK、というムードを感じるのは気のせいか。
日本でもスペイン代表やバルセロナは人気が高い。
うまくて、華麗で、そして強いからだ。
なぜ同じことを、日本代表に求めないのだろう。
自分たちのスタイルで戦うなんて、まだ早い。では、いつならば許されるのか。
ドイツの惨敗から学んだことは、なんだったのか。あの悔しい思いを踏まえ、オシム監督を招聘して、日本化を構築して戦おう。それが今大会の目標ではなかったか。その上で残される結果を見つめようと、期待を抱いたと同時に、覚悟もしたのではなかったのか。
前提として、当然勝ってほしい。しかも日本らしさというものを表現したうえで、勝ち切ってほしい。非現実的な願いかもしれない。しかし、どれだけ押されたとしても揺らがず戦い、らしさの片鱗くらいは見せてほしい。
目前の勝利だけにこだわることを許し、いつも場当たり的なスタイルの戦いしか披露できなければ、誰も日本を記憶にとどめてはくれない。
別に認めてもらわなくても、勝ちさえすればいい。世界のサッカーコミュニティーに居場所を持たなくても、自分たちが勝ちさえすればいい。そういう意見があるかもしれない。
本当か?
わたしは、認めてもらいたい。
彼らの仲間に加えてもらいたい。
映画に映画史があるように、サッカー界にサッカー史というものがあるならば、そこに日本の名前を認めてもらえる存在感を築いていってほしい。よくここまでクオリティーをあげたな、そう声をかけてもらいたい。
世界のサッカーに魅了された経験を持つからだ。
最先端のサッカーに酔いしれ、嫉妬し、目指し、胸を借りることで日本のサッカーはクオリティーをあげてきたからだ。
日本はサッカー後進国である。ワールドカップへ4度も出場するほどに進歩を遂げたのは、世界のサッカーコミュニティーのサポートがあったからだ。
それゆえ内にこもってはいけない。勝ちさえすればいい、内容は二の次だと、ワールドカップ初心者のような思いに逃げ込んではいけない。もう初心者ではない。自分たちの存在感を誇示しようと努力することはサポートをしてきてくれたサッカーコミュニティーへの恩返しであり、本当の意味で彼らの仲間入りを果たすうえでの義務でもある。
ここでいう本当の意味とは、たとえばアジア枠は4.5必要だと世界中から声があがるようなことだ。日本のサッカー、アジアのサッカーはモダンで、おもしろく、そして強い。真の力があるのだから4.5枠は妥当だ。そう思われる関係性をブラジルやイングランドやスペインやフランスという強国と結ぶことである。
力を認められればマッチメークもしやすくなる。ポルトガルやアルゼンチンとの試合が定期的におこなわれ、しかも互角に渡り合えるような試合運びを展開できるまでに成長すれば、日本サッカーを応援する誰にとっても勇気となる。次世代には夢となる。
もし今回のワールドカップで、なりふり構わず勝ったとしても、チームが、選手が、世界と正面から戦えていなければ、次世代の憧れとなるだろうか。
そうは思えない。
ワールドカップは世界に触れ、日本のポジションを知る絶好の機会だ。しかも今大会は地上波で大半の試合を見ることができる。次世代を担う子供たちの感度は敏感だ。彼らはメッシやイニエスタ、ヨーロッパで活躍する選手たちに注目すると考えるのが普通だろう。そして、世界のトップ選手に堂々と相対する日本人の姿を目にした時に、心から日本代表に感動するのである。
わたし自身を振り返っても同様だ。
86年のメキシコ大会からまともに見た世代であるゆえ、マラドーナやプラティニが真剣勝負を展開するのがワールドカップだった。だからこそ日本の出場を強く願ったのだ。マラドーナやプラティニたちが戦う舞台へ、自分の国が参加できることを願っていたのだ。だからジョホールバルの試合には涙するほどに感動したのである。
今の子供たちにとって、ワールドカップに日本が出場すること自体はもはや夢ではないのだろう。世界を相手に勝つことを望んでいるのも確かだ。では同じ勝利にしても、世界に動じず堂々と自分たちの形で戦い得た場合と、自分たちのスタイルを捨て去りただ勝ち切った場合とでは、どちらが連綿と記憶に残るだろうか。だからプロを目指しました、だから海外で活躍したいと思ったのですという未来のフットボーラー誕生を、より強く期待できるだろうか。
当然前者だ。
そしてもし前者の姿勢で戦い敗れたとしても、心の底から悔しいという感情を抱くに違いない。その嘘のない感情は、俺がやってやろうというモチベーションへと形を変えるはずだ。
改めていう。
勝って欲しいのは当然だ。どのような勝ち方だって嬉しいことには変わりない。しかし、そろそろ自分たちのスタイルを表現する時期ではないか。そのような議論をずっとしてきたのではなかったのか。
日本には、世界のどのチームも持っていない独自のらしさを構築して欲しいのである。その上での勝利が欲しかったのである。負けたとしても、明確な姿勢をもっての挑戦で敗れたならば、顧みるべき反省点もまた明確だ。
しかし、サイはふられてしまった。コンセプトなき日本はカメルーンに勝利してしまった。オランダ戦以降、目的は唯ひとつ、結果を残すだけとなった。
日本はどこへ行くのか。
勝利が手に入れば、それでいいのか。
強ければ、内容はどうでもいいのか。
ならばなぜ、スペイン代表やバルセロナを見たいと思うのか。
うまくて、華麗で、そして強い日本が、わたしは見たい。しかし、明確なコンセプトを手にできなかった状況を見れば、わたしの希望は叶えられることはないだろう。もう手遅れなのだ。
今願うのは、なりふり構わないスタイルで、勝つことだ。内容は求めない。勝利があれば、それでいい。しかし、たとえベスト4を達成したとしても、しっかりと今大会を顧みることだ。次の監督を口にし口にされて、すべてをチャラにしたり、すべてがチャラになってしまうような状況だけは、断じて認めない。
(小山内隆=文)
コメント(7)
- 酒2010年6月19日 6:42 PM
今夜は、テレビの音声を消して観戦します。
(BGMはファットボーイスリムでも流しながら・・・)
自分が見た日本、マスコミから見た日本。
そこに、本当の見た(い)日本の戦い方が出来るのかを。
- 酒2010年6月19日 7:29 PM
私、自営業なのですが
イオンと戦うにはどう勝負するか考えます。
同じ土俵で、どう勝負できるかを。
今、出来るやり方で、その時々で
変化しながら。。。
将来を見ながら、見据えながら思うのは
個で勝負できるものを作ることです。
- ken2010年6月20日 2:30 AM
なんでもかんでも批判するのも共感できんよね
コンセプトなんて相手や状況によって柔軟に対応して
変えながら戦っていいと思います
今の日本代表はW杯開幕前いろいろ言われていたし
自分も物足らなかったけれど
いざ始まってみると本番型というか良く頑張っているね
オランダ戦もまあまあ面白かったですよ
私なんかあきらかにこいつら努力や我慢や責任(サッカー選手
としてではなく人としての部分)を怠っているなと
感じたとき以外物を言う気になれないね
岡田監督は結果を出せなければボロクソにされるわけです
今の日本人は政治家を批判するけど自分が立候補しようとはしない
安全なとこにいて責任から逃げてるよな
- HR2010年6月20日 12:25 PM
言うは易し。
結局負けたら批判される。
どんな戦い方であれ、今、できる精一杯であれば、それが日本の位置ではないだろうか。
誰がバルセロナのようにサッカーをすると言ったのでしょうか?
毎回外野の希望通りサッカーをするチームがありますか?
これは分析ではなくたんなるエゴイスティックな感想ですね。
もう一度言います。
今のこの戦い方が、日本の位置です。
未来に夢を与えるのが仕事ではありません。
未来に現実を教えることがいいのです。
理想のサッカーを展開できるのはオランダレベルです。
- すっとこどっこい2010年6月21日 10:34 AM
そう、そしてそのオランダはW杯で優勝した事が無い
- カメルーン戦の勝利は未来へと続く2010年6月21日 9:38 PM
私はあなたが日本サッカーを卑下し、海外に媚びているだけのあなたが、
日本人として執筆していることを認めません。
そして無責任な立場でものをいうのがライターだとはいえ、
あまりにも無責任な立場でものを言っているという自覚がありません。
あなたの見たいサッカーをやって全敗するより、
力の限り気持ちを見せて勝利にしがみつき、グループリーグを突破した方が、
確実に日本のサッカー人気には繋がるでしょう。
あなたが見たいサッカーなんてどうでもいいんです。
あなたは公的な立場にいるということを、どうやら忘れているようです。
- しゅう2010年6月24日 12:03 PM
>日本でもスペイン代表やバルセロナは人気が高い。
>うまくて、華麗で、そして強いからだ。
>なぜ同じことを、日本代表に求めないのだろう。
>日本には、世界のどのチームも持っていない独自のらしさを構築して欲しいのである。
ライター小山さんの思う日本サッカーの らしさ ってどんなんでしょう?
ワールドカップに於いて、フランス大会で初出場、日韓開催でベスト16、
ドイツ大会でグループリーグ敗退でオシムさん招聘。途中から岡田監督就任で
今回大会。オシムさんが途中で代わってしまったのは残念です。チームが
どうなっていくのかが見られなかったので。
よく言われてるのが俊敏性と組織力あたりでしょうか?
それが世界のサッカーでどれだけ通用するのか未だ誰にも分かってません。
韓国が日韓大会で4強入りしてとにかく走り続けるサッカーをしましたね。
あれはスタイルを確立したかに思えましたが世界で認められてるか否かは
私には分かりません。
日本は、なんやかんや言っても未だ経験を積んでいる最中ではないでしょうか?
W杯に出場し、グループリーグを突破する。そんな代表を観てサッカーに関わる
人達が日本サッカーの長所短所を感じて自分達のサッカーに関しての考えに
反映していく。
サッカーをやりたいな、となるべく多くの子供達に思ってもらう為にも、
サッカーって面白いな、となるべく多くの国民に思ってもらう為にも、
出来るなら試合に勝ち進み、国全体がより盛り上がっていくのも悪いことでは
ないように思います。
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[塾生]小山内隆- takashi_osanai
- 1971年生まれ、東京出身。サーフィン誌を軸に活動中。スポーツライターを目指して金子塾へ。最近のテーマは「東京を拠点とするチームにとっての地域密着とは?」です。
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