[塾生]本田千尋

  • 2010年4月19日

春の神宮より。

 ようやく桜の花が散り始めたころ、今年もまた東京六大学春季リーグが開幕した。 
 
 少し肌寒いくらいの陽気の中で、慶應大学対東京大学の一戦は行われた。両校応援団とチアガールが華を添える。今年から学生席が応援席に改められ、一般客も同席に入場可能となった。主にOB・OGと思われるが、応援団、チアガールともに声援をグラウンドへと送った。応援席以外の客席はというと、外野はガラ空き、内野はそこそこといったところで、客層としてはオールドファンなのだろう、年齢の高い方が目立った。
 試合は2回に一端東大が追いついたものの、結局慶大が地力の差を見せつけて8-3で勝利した。
 東京六大学野球連盟は今年1月、観客動員活性化委員会を設置した。
 六大学リーグの平均観客動員数は2006年秋の6765人から2007年の春は11828人と大幅に増加した。早稲田大学に齋藤祐樹投手が入学したためである。しかし以降、2007年秋は8346人、2008年春は9365人、2008年秋は7392人、2009年春は8600人、2009年秋は8243人、とやや下降、停滞している。
 そうした流れを受けて観客動員活性化委員会は設置された。今春より以下4項目がスタートし、前年比10パーセント増の動員を目指している。
 1.学生席を応援席とし、一般のファンも入場可能とする。従来の内野席から、学生内野席を新設する。
 2.六大学グッズを販売する。
 3.大学生向けのポータルサイトにて六大学各校のブログを開設する。
 4.自主制作した広報誌を各校で平日配布する。
 この取り組み自体が悪いとは言わないが、どれだけの効果があるのかはなはだ疑問である。特に3及び4の取り組みは対象が大学生に限定されてしまっている。観客動員数を伸ばしたいのであれば、もっと広い意味での取り組みを考えるべきではないのか。
そこで提案なのだが、思い切ってリーグの再編に踏み切ってみてはどうか。
現在東京都内には、東京六大学野球連盟、東都大学野球連盟、首都大学野球連盟の3つの連盟がある。加盟校の総数は43校にも上る。1つの提案としては一端全ての連盟を統合したうえで、6チームずつ(1つは7チーム)のリーグを7つ作る。そしてリーグ終了時点での各リーグ1位チーム及びワイルドカードで選出された1チームの計8チームによるプレーオフを行うのである。言わずもがなこれはメジャーリーグの仕組みを真似たものである。
 早稲田、慶應をあえて別のリーグに振り分け、プレーオフで対戦するような仕組みを創っても面白い。それでは両校がプレーオフに進出しなければ早慶戦が見ることができなくなると考える方もいらっしゃると思うが、交流戦という形で残せばよい。
 プレーオフ準決勝、決勝進出を懸け早稲田、慶應が激突する…なかなか悪くない。
 もちろんこの形式は一つの案に過ぎない。他にもやり方は色々ある。
 もともと六大学野球リーグは早稲田、慶應、明治による三大学野球リーグを発展、継承するかたちで1925年にスタートしたものである。そろそろ新たな形に向けて、新たな段階に向かって踏み切ってもよいのではないか。
 昨年行われたU-26プロ野球代表対大学野球選抜が活況を呈したように、誰もがこれまでにないものを見たがっているのはある種の事実である。現在大学野球に求められているのは抜本的な改革なのだ。
 かつて生物学者のシェーンハイマーは言った。
「秩序は守られるために絶えず壊されなくてはならない」
 来年、齋藤祐樹はもういない。

桜の花は散り始めている。

(本田千尋=文)

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