review 書評
ゴールは偶然の産物ではない~FCバルセロナ流世界最強マネジメント~
「サッカー」と「ビジネス」を結び付けた書籍において
本書ほど深みとリアルを高度に兼ね備えた作品は他にない。
著者フェラン・ソリアーノはFCバルセロナの元副会長だ。
起業家・コンサルタントとして欧米で消費者産業界、電気通信業界、エンターテイメント業界などで活躍した実績を持つ。ビジネスパーソンとしての揺るぎない自信と実力、サッカーとバルセロナへの深い愛情と情熱のなせるわざなのだろう。
業界を知り、自らの商品を知り、最適な戦略を展開し、定期的に戦略を見直し・・・
というビジネスにおける定石が本書では鮮やかに展開される。
収益構造、リーグ間の比較、業界の特異性・・・あらゆる角度からサッカー界というフィールドを分析する。
FCバルセロナというクラブとは何者で、何を求められ、どこへ向かうべきなのか。
明確な定義を定め、戦略を立てていく。
戦略を実践し、時に成功し、失敗した場合は軌道を修正する。
世界のトップに君臨するFCバルセロナが形成された本物の過程である。
実績という周知の事実が本書の説得力を強固にする。
ビジネスに特化したドライさを感じないのはサッカーとバルセロナへの深い愛情があってこそ。
自らの仕事への愛情が成功要因となるという示唆はビジネスマンへの大きな刺激になる。
ロナウジーニョ、デコ、アンリらの獲得、
ライカールト監督誕生からグアルディオラ監督就任まで。
一貫した論理の中で語られる、我々も目にしてきた「事実」の裏側には
しびれるような感覚を持たざるを得ない。
リーダーシップ論、組織論、交渉術にまで踏み込む後半は
やや“バルセロナの成功例披露”に偏っている感があるが、
補って余りある読後の満足感を与えてくれる。
スポーツビジネスに興味がある方はもちろん、
経営・マネジメント本に興味のあるスポーツ好きの方、
新たな視点を求めるスポーツファンの方へも
是非ともお勧めしたい一冊だ。
(石島啓太=文)
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書籍紹介
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